「馬蹄形一周」(ばていけいいっしゅう)って言葉、知ってますか?
群馬の谷川岳山域で、馬蹄の形にぐるっと一周する、登山コースのことです。
例えば土合駅をスタートし、白毛門、笠ケ岳、朝日岳、清水峠、蓬峠、武能岳、茂倉岳、一の倉岳、トマの耳、そして天神尾根を下って下山したら馬蹄形の完成です。
私にとってはこのコース、一日で歩ききってこその「馬蹄形一周」、健脚コースです。
学生の頃一度歩きましたが、天神平からはロープウェーで下りました。
客先のSさんは最近、変に登山に凝っています。
登山経験なし、これといった運動もしていず、いきなり山に登ります。
45歳くらいでしょうか。
子供が遊んでくれなくなったのをきっかけに何かやろうと思ったそうですが、そのやり方は普通じゃありません。
私が谷川馬蹄形一周コースの話をすると、心の中でスイッチが入ったようです。
成功するかどうか分からないので黙っていたようですが、私に内緒で行って来ました。
しかも、最後のロープウェーにも乗らなかったようです。
逆に私が「ロープウェーに乗った」と話すと、
「何で乗れたの?」
と言う答えが返ってきました。
それもそのはず。Sさん、天神平に着いた時は既に夜の11時頃だったようです。
それから下山路を迷いながら下山。懐中電灯は一応、持っていたようです。
とにかくゆっくり、マイペースで歩くんだそうです。
途中でひざが痛くなるそうです。
暗くなると、周りに歩いている人がいなくなるそうです。
私が八ヶ岳の話をした時は、やはり夜中、下山を始めて間もなく懐中電灯の電池が切れたそうです。
下山ルートも間違えたようで、下山してから自分の車を探すのに、2時間かかったそうです。
危ないし、やらない方がいい行動ですけど、なんか"いい"ですよね。
あまりルールにとらわれず、気負わず楽しみたいものです。
写真は、Sさんも歩いた八ヶ岳のちょっと近く、女神湖で出会ったワンちゃん。
らいらい軒